英検1級合格への道 ~8 二次試験勉強法~
概要
二次試験のスピーキングは、以下のような構成の面接試験になっています。
面接官は、1名日本人、1名外国人(おそらくネイティブ)の2名で、Q&Aでは交互に質問があります。
・自由会話(仕事の紹介など日常会話)
・スピーチ(1分間で5つのトピックから1つ選んで、2分間スピーチ)
・Q&A(4分間で、2人の面接官から質問があり、それぞれ回答)
使用参考書
二次試験対策としては、英作文対策でも活用した『英検1級英作文問題完全制覇』(ジャパンタイムズ)と『英検1級二次試験・面接完全予想問題』(旺文社)を使用しました。
勉強の進め方:フォーマット
まず、7の英作文のフォーマットのうち、Bodyを3つから2つに減らした、以下のようなフォーマットを準備しておきます。
Bodyは2つを想定しますが、冒頭で2 reasonsと明確に言ってしまって、話しているうちに3つになるとやっかいなので、数は言わないようにしていました。
〇Introduction
Some people may think that … However, I think that … There are following reasons for my opinion.
〇Body
First, … For example, …
Second, … In fact, …
〇Conclusion
In conclusion, for the reasons I mentioned, I believe that … In the future, …
このように、英作文と同様なフォーマットを活用することで、一次試験対策をそのまま活かすのがポイントです。
勉強の進め方:演習
「二次試験・面接完全予想問題」を活用して、本番同様の演習を行い、その様子を録画します。
演習の流れは以下のとおりで、自分が話している様子を自撮りします。
①トピックのページを見て、記載のとおり45秒計ってスピーチ内容を考える(本番同様メモ禁止)
②2分間計って、自分のフォーマットを意識しつつスピーチする
③2分間経ったら、Q&Aの音声を流し、一問ずつ止めて回答する
演習を終えたら、「二次試験・面接完全予想問題」の解答を読み解きつつ、自分のスピーチ、Q&Aの様子を動画で振り返ります。
動画の振り返りでは、詰まってしまった理由(アイデアがでなかった、単語やフレーズがでなかったなど)を振り返り、改善を図ります。
勉強の進め方:シャドーイング
この演習と並行して、「英作文問題完全制覇」の復習も行います。
ここでは、CHAPTER2のコンテンツブロックを活用し、アイデア・単語・フレーズを復習しつつ、ブロック単位でシャドーイングします。
この復習を通じて、自分の得意なトピックをいくつか作っておくと、本番でネタ切れを回避できます。
勉強の進め方:ライティング・スピーキング演習
「英作文問題完全制覇」のCHAPTER3の実践問題も再活用します。
基本的には英作文対策と同様ですが、200~240語の英作文ではなく、Q&Aも意識して、BODY一つ分(50語程度)を英作文します。
なぜスピーキングなのに英作文するのかというと、内容を添削して間違いを発見するためです。
スピーキング自体の慣れは、後述のオンライン英会話を活用します。
以下が勉強の流れで、⑩⑪がスピーキング特化の対策として追加しています。
⇒で各ステップのポイントも記載します。
①CHAPTER3の実践問題について、BODY一つ分(50語程度)をPCで英作文し、「添削前」として保存する
⇒Wordだと自動添削機能があるため、テキストなど補助機能がないものを使用します。
ここでは試験本番を想定し、自分のフォーマットを意識して、自分が知っている単語・構文で英作文します。
②英作文する際に、日本語ならこう話したかったのにという単語やフレーズがでてきたら、「チェックポイント」として日本語でメモする
⇒①では自力で英作文しますが、話したかったけど書けなかった英文を話せるようにするため、メモしておいて後で英訳します。
③①の英文を、Grammarlyにかけ、文字数をカウントしてメモする
⇒Grammarlyは無料の添削アプリで、文法や単語の誤りを指摘してくれます。
ここでは、50語に到達しているかをチェックします。
④③で添削の結果、文法・単語で間違えたポイントは、「チェックポイント」としてメモし、Grammarly上で修正を反映する
⇒修正を反映しますが、どこが間違っていたかが後でわかるようにメモしておきます。
⑤②でメモした日本語を、Google翻訳で日本語→英語にし、日本語・英語を「チェックポイント」に追記する
⇒自力英作文を添削した上で、本当は話したかったこともメモしておいて、英語表現を増やします。
⑥④のGrammarly添削後の英文をGoogle翻訳で英語→日本語にする
⇒添削して終わりではなく、Google翻訳の英→日→英の往復で、さらに英語力を高めるためにGrammarly添削後の英文を和訳します。
⑦⑥の日本語を、新しいタブで別のGoogle翻訳を開いて貼り付け、日本語がおかしいところを直した上で、日本語→英語にする
⇒Grammarly添削後の英文は、文法上は正しくなっていますが、日本語にするとおかしくなっている場合があります。
このため、日本語チェックをした上で、再度英訳します。
⑧⑦の英訳で、元のGrammarly添削後の英文に採用できそうな英文があれば、Grammarly上で反映させ、「添削後」として保存する
⇒ここで、日本語と英語の表現のずれを補正し、より自分の考えに近い英文にします。
⑨CHAPTER3の解答を読みこみ、使えるアイデア、単語、フレーズがあれば、「チェックポイント」にメモする
⇒「英作文問題完全制覇」の解答例は参考程度になりますが、特にアイデアはここでしっかり学びます。
⑩「添削後」の英文をGoogle翻訳にコピーし、スピーカーマークで再生して、シャドーイングする
⇒Google翻訳はナチュラルスピードで、非常に自然な英語を話してくれます。
自分で作った英文をシャドーイングすることは、市販の英作文集よりも内容が自分で考えたことなので、何倍も効果があります。
⑪スマホのGoogle翻訳アプリで「会話」をクリックし、自分で英文を発話し、アプリに正しく認識されるまで繰り返す
⇒ここが発音チェックの機能を果たします。
発音矯正の仕方は後述します。
⑫改めて「チェックポイント」を読み返して、自分の間違い、新たなアイデア・単語・フレーズを復習する
⇒ここで、自力英作文で学んだことを定着させます。
英作文と同様に大変なステップですが、1級対策ばかりでなく、自分のアウトプット能力を高める非常に有効な勉強法だと感じています。
勉強の進め方:発音
二次試験では、以下の4つの項目について、各10点で採点されます。
私はそれぞれ以下の点数でした(合格点と同点)。
・SHORT SPEECH(2分間スピーチ)→7点/10点
・INTERACTION(Q&A)→7点/10点
・GRAMMAR AND VOCABULARY→6点/10点
・PRONUNCIATION→6点/10点
このように、2分間スピーチやQ&Aと同様に発音も評価されることとなっており、発音対策も重要となります。
私は、ジャパニーズイングリッシュで話してしまったので、発音の点数が低かったようです。
英作文・スピーキング演習では、⑪のステップでGoogle翻訳を活用して発音チェックをしますが、発音矯正方法がわからない場合もあります。
その際に、『そーた式!まるでネイティブのような「英語の発音」が身につく魔法の法則40』(学研プラス)が参考となります。
この参考書では、日本人が陥りがちなジャパニーズイングリッシュからの脱却方法・練習方法が説明されています。
私は残念ながら試験前に出会うことができず、試験後に買ってやっておけばと後悔した参考書です。
付け焼刃でどこまで改善するかはわかりませんが、知らないよりはよいということで、一通り学習しておくと発音対策は安心です。
勉強の進め方:オンライン英会話
ここまで、自力で勉強する方法を紹介してきましたが、本番は対人面接の試験になります。
このため、実際に人を相手にコミュニケーションを実践しておくことも重要です。
値段的にもお手頃なのはオンライン英会話で、私はDMM英会話を日常的に活用しています。
1回25分を毎日行えば、ある程度英会話することのハードルが下がります。
また、Q&A対策として、準備していない質問への解答能力も高めることができます。
私はDaily Newsという教材を活用していました。
冒頭に雑談をして自由会話に慣れました。
また、Daily Newsは予習せず、初見のトピックについてディスカッションすることで、Q&A対策をしました。
勉強の進め方:自由会話
最後に、冒頭の自由会話では、簡単な挨拶から、今日どうやって会場に来たの?仕事はどんなことしているの?といった会話がされます。
どうやって会場に来たの?は英検会場は車禁止が多いので、間違って車で来ましたと言わないように、当たり障りない回答を用意しておきます。
また、仕事の概要も、冒頭でテンパって後に響かないように、簡単に準備しておくことをおすすめします。
勉強の進め方:心構え
二次試験対策は、一次試験以上に気持ちの面が強くでるので、リラックスしつつ、スピーチもQ&Aも楽しむ姿勢が大事です。
私はコミュニケーションをとるのが好きなので、Q&Aでコンパクトに答えていたら、大体4問くらいのやりとりのところを7問くらいやりとりすることになりました。
スピーチするのは最初恥ずかしいですが、面接では何よりも自分は話せるんだ!という勢いが重要なので、その点もチェックします。
なお、今はコロナ対策のためにマスク付きかつアクリル板ありでの面接となるため、大きな声ではきはきと、ジェスチャーをつけることが重要になってきます。
一次試験以上に気持ちで勝負する試験なので、普段のオンライン英会話から気持ちを高めておくことが大事です。
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